留年生が意識高いこと全部するブログ

意識高いことをやったらホントに大企業に受かるのか?試しています

意識高いバックパッカーになってみよう!1~バックパッカーとは?~

意識高い学生に人気のバックパッカーとは、一体なんなのか。その真相に迫るーーーー

 

 

 

 

 
 
 
K太郎くんとバックパッカーになることを約束した帰りの電車内ー。                                 
 
 
 
                     
 
 
 

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「あ、やっぱ行きたくない」

 

 
あるある~。ノリノリで計画立ててやる気なくなる現象~~~~
 
ていうかバックパッカーってなんですか?あれだよね、イメージだけど、なんか普通の旅行と違って
わざわざ田舎いったり汚いとこ泊まったりして喜んでるやつらだよね?
 
よく考えたら何も知らないからやる気が湧かないだけかもしれません。調べてみることにしましょう。
 
 

バックパッカーとは

 
Google先生にきいてみました
 
 
「バックパッカーとは…」
 
 
 
 
定義を定めるのは難しい(Wikipedia)」
 
 

f:id:highlyconscious:20150816165315j:plainなんだと

 
 
 
バックパッキングで重視されるのは
『本物』の感覚である
 
 
 

f:id:highlyconscious:20150816165315j:plain・・・本物の感覚?

 

 

 意識高い気取った言い回しに若干の吐き気を覚えつつも何とか調べあげたところ、
 
要件としてあげられるのは
・あまりお金使わないこと
・ツアーじゃないこと
の2つで
自由に、かつ自力で旅することによって
一般的な旅行より成長できる
ところにその魅力があるようです
 

f:id:highlyconscious:20150816165315j:plain「でも海外じゃなくても成長できるんじゃないの?それに行ってからどうこうしたいって目的も特にないし、やっぱやめようかなあ」

 

 

 

たまたま髪を切りに行ったので、その思いをオシャレ美容師、Tさんに話してみました。
 
すると
 

f:id:highlyconscious:20150818181140j:plain「留年生くん…」

 

 

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「目的なんていらないんだよ。留年生くんはまだ海外について何も知らない。だから何ができるのかわからない。目的なんて持てなくて当たり前だ。むしろ、みんなそれを見つけに海外に行くんだよ。留年生くん。」
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・!!!!!!
  
 
 

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俺、見つけに行きます!

 

― 意識高いメモー

若者の行動に目的はいらない。行動そのものに意味がある。

 
 
 以下、バックパック行くまでの軌跡です。
バックパックに興味を持っている人はぜひ参考にしてください
 
意識高いバックパッカーになってみよう!~パスポートとかなんか色々めんどくさい手続きをしよう!~
意識高いバックパッカーになってみよう!~危険に備えよう~
 
 
 

意識高い学生への目覚め

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そんなこんなで

留年した僕は数日後、M先輩に飲みに誘われた。

 
 
M先輩は一つ上の学年だが、就活留年して僕らと同じ 16卒として就活している。
そんな先輩が誘ってくるということは・・・
 
 
 
 
 
M先輩「内定、出たよ」
 

f:id:highlyconscious:20150816165315j:plainやっぱり!」

 

 
M「いっぱい出た」
 

f:id:highlyconscious:20150816165315j:plain「いっぱい!」

 
聞けば飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長中のベンチャーC社など、数社から内定をもらったそうです
 

f:id:highlyconscious:20150816165315j:plain「う、うらやましい…」

 
まあ僕は内定以前に単位をとらなきゃいけないんですが
 
 
 
 
M「でも…」
 
M「C社にはいかないかもしれない。起業してみたいんだ」
 
 

f:id:highlyconscious:20150816165315j:plain「起業!」

 

 

 
 
何かがおかしい。そう思いました。
僕が知っているM先輩は酒を食らい、女を食らい、
ゼミにも所属せず青春を謳歌する、
典型的な自業自得型リア充だったはずなのです。
 
 
 
 
M「起業は仲間と話進めてる。
 
学生の間にゼロイチの経験
 
しときたいからさ」
 

 

 
 

 

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 「ゼロイチ!!!!!」

 
 
なんかかっこいい業界用語 (?)を使うのを聞いたところで、僕は確信しました。
 
―この人は変わったんだ
―インターンを転々としたり志望業界がコロコロ変わって他の先輩に「ブレブレやな」と言われたりしながらも、自分を貫いていろんな経験をして、自分の未来を切り拓いてきたんだ。
 

f:id:highlyconscious:20150816165315j:plainかっこいい…」

 
思わず口に出していました。
ただ実際の口調は
「かぁっくいい~~↑↑」って感じだったのですごい怒られました。
完全にあおってる感じでした。
 
 
しかし、とにかく僕の中で何かが変わりました。
 
 
―意識高いっていうのは未来のために挑戦や努力をいとわないこと。
 
 
―それを馬鹿にするのは、「努力なんてかっこ悪い」と斜に構えていた中学生のころと変わらない…
 

 

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「俺…いや私、意識高くなります」

 
 
「インターンとかボランティアとかバックパックとか、なんか意識高い系みたいでヤだなって思ってたこと全部やります!」
 
 
 
M「いや全部はむりだろ」
 
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 

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f:id:highlyconscious:20150816165315j:plain「たしかに湯水のごとくわいてくる」

f:id:highlyconscious:20150816165315j:plain「そして何からやったらいいかわからん。やっぱやめようかな」

 

f:id:highlyconscious:20150901134150j:plainK太郎「ねえ…」

 

 

彼は一緒に飲んでいたK太郎くん。就活うまくいってない同期の代表です。

 

 

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K太郎「俺もバックパックやってみたいから、一緒に行かない?

 

 

f:id:highlyconscious:20150816165315j:plain・・・!!

 

 
 
こうして、僕、いや私の、意識高い学生への道が始まった―――
 
 

highlyconscious.hatenablog.com

序章

 

 

 

7月10日―

 

立ち込める雲と淫靡な街の灯りが、星の輝きを覆い隠そうとする夜だった。 

 

 

僕は大学のサイトにアクセスしようとキーボードを叩いている。

早鐘を打つ鼓動は指先まで震わせて、パスワードを何度も間違えさせる。 

 

 

 

――僕は就活生だ。

しかしただの就活生ではない。

 46単位取得という重荷を背負って険しい山を登る

就活界のアルピニスト。 

 

取得できる単位の上限は年間で48。

僕はあと4単位、つまり2つの講義を落とせば、後期を待たずに留年。

深いクレバスに飲み込まれることになる。 

 

 

そして今日

 

初めて出た2時間目の講義で、今まで出席を取っていたことを知った。 

5時間目の講義では、先週中間試験が行われたと、金髪の受講生達が話しているのを聞いた。

 

目を、耳を疑った。

単位取得の条件は合計で60%以上点をとること。

もし出席や中間試験の点数配分が大きければ…終わりだ。

 

 

そう、僕は今シラバスを確認するためにPCに向かっている。

 

何度もパスワードを間違えた後、

ようやくサイトが開く 。

ものの1,2分の作業が、終わらない拷問のように感じられた。 

 

すぐさまメニューをクリックし、講義一覧のページへ、各講義のページへと画面を進めていく。

まずは2時間目だ。

 

 

そして

シラバス

 

一つ息を吸い込んで、クリックする

 

成績評価の方法が書いてあるところまで

画面をスクロールする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー出席40%、試験60%ー

 

 

 

 

 

 

 

 

肺の中の空気が、体中の血液が、一瞬で全て水銀に入れ替えられてしまったみたいだった。

期末試験で満点をとれるはずなど、ない。一度も出席した事のない男がだ。 

 

 

冷たくなった指先で、冷たいデータを映す機械に指示を出す。

もうひとつの講義も確かめなければならない。 

 

正直、確かめたくない。そこに書いてあるのは、死刑宣告かもしれないのだ。 

しかし逆にだ。5時間目のシラバスを開いた時、もしかしたら中間テストなど無いことがわかるかもしれない。さっきの会話は聞き間違いで、中間テストなどなかったかもしれないのだ。

 もはや根拠のない励ましにすがるしかなかった。

かぼそい可能性の杖に、弱りきった体を預けてなんとか進む。

そんな姿を自分でも滑稽だと思った。

 

 

 

そして5時間目のシラバスが表示される

 

 

 

 

 

 

画面をスクロールしていく。 

 

 

 

 

 

 

 

お願いだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今からちゃんと勉強します

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでもします、神様

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー成績評価の方法ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―中間試験30%ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、体に熱が戻る 。

 

中間テストはあった。

しかし、期末が70%なら決して不可能ではない。

俺ならできるさ。やってやる―― 

 

 

 

もう一度画面を見直す。

 

―中間試験30%ー 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―期末試験50%ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―出席20%ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

 

 

その時僕は、自分の足元が崩れる音を、確かに聞いた。

 

僕の就活は終わった。

 

もはや星は見えない。

 

行き先を教えてくれるものは、なにもない。