意識高い盆栽
盆栽、育ててますか?
どんなイメージを抱いていますか?
「そんなダサい趣味、持ってるわけないよ」
「わしゃ波平さんかい!」
若者の多くは、そう言って笑うことでしょう
しかし盆栽とは
生命を育む崇高な営みであり
小さな鉢に世界を生みだす創造的行為であり
和の心が息づいた伝統文化であり
空気中のCO2を減らす環境保護アクションである
要するに
内定間違いなしの超意識高い趣味なのです
「盆栽を育てることで命の尊さを学びました!」
「盆栽によって創造力が身につきました!」
「日本文化の振興活動を行っていました!」
「環境保護活動を行っていました!」
自己アピールのネタにも事欠きませんね
盆栽は高齢の優雅な方が趣味としていることが多いものです。あなたが志望する企業でも、社長面接でより効果を発揮するでしょう。
「盆栽育ててます!」
「まじで!採用じゃ!」
見えましたね。
就活生の皆さんはゼミやインターンなどブッチして園芸屋に急ぎましょう。
育てる品種
今回育てるのはこれ
アカメシデといいます。盆栽では割とイージーな品種のようです
少し前にプレゼントされたので仕方なく育てることにしました。
水に沈めるだけで水やりができるおしゃれ植木鉢に入っています。
こんな感じです。土の隙間に水が入り込んで空気を追い出しきったら水やり完了
改めて見てみると小さいながら見事な枝ぶりですね。段々愛着が湧いてきました。
きっとこの子は成長して、盆栽界を代表する名盆栽になるに違いありません。
偉大にな盆栽になってほしい、そんな願いを込めて
スティーブジョブズ
と名付けましょう。
ジョブズ、俺がお前を立派に育ててやるからな
数日後
元気無っ!
雨続きで日照不足のせいでしょうか。色が悪くなり、葉っぱもだらりと垂れ下がっています
対策として液体肥料を少しやり、晴れでなくてもできるだけ太陽に当たるようにします。すると
復活しました。
挫折しても這い上がる様は、まさにジョブズ。
心の底からほっとしました。これが親心でしょうか。
子育てっていいものですね 。
慈しみ、愛することによって逆に自分の心までが満たされる。
そして名前のおかげで、俺がジョブズを育ててるという優越感まであります。
このまま二人、幸せに生きていこうね…
ってあーーー!
しおっしおやんけー!
「水をあまりあげない方が強く育つらしい」と聞いて水を控えていたらこんなことに…
誰に見せても「もう枯れてるやん」という判断。
はい、僕もそう思います!
もう終わりなのでしょうか、世界はまた一人、ジョブズを失ってしまうのか…
諦めきれない僕は、遠く離れたある場所を訪ねます
おばあちゃんの家です
僕のおばあちゃんは、おばあちゃんなだけあって家の中でも外でも植物を育てています
また、おばあちゃんなだけあってボウリング最高スコアは200です
「おばあちゃん、実は・・・」
しおしおジョブズを見せるとおばあちゃんの目の色が変わります
「どれ…貸してみなさい」
「なるほど」
「この子は預けて行きなさい。大丈夫。必ず良くなる」
おばあちゃん、頼みます・・・!
それから数日たっておばあちゃんからメールが届きました。
「やっぱりだめだった」そんな報告でしょうか。
小さな命一つを奪ってしまったのか。罪悪感が押し寄せてきます。
それとも、本当に治ったのでしょうか。あの葉っぱが全部緑に戻る…?
そんなことは考えられない、でも、もしかしておばあちゃんなら…
おばあちゃーーーーーん!!
枯れた葉を通元に戻すことは不可能でも、気性のいい鉢に移し、枯れた枝を剪定することによって養分の無駄を省くことで新芽を育てることに成功したそうです
さすがプロ、人生70年の知恵
戦中生まれパねえ…
今回、 盆栽を育てることで僕は大切なことを学びました。
窮地に陥っても、諦めないこと。そして、自分だけでなく誰かの力を借りること。そうすれば道は開ける。
ありがとうおばあちゃん、そしてジョブズ。
意識高いメモ
ピンチに陥ったら
・一見手遅れでも諦めないこと
・誰かに頼ること
・適切な「誰か」を選ぶこと